天使様
20230201の夢について。私は階段の踊り場で上を見上げていた。
しかし、私はただ見上げていたのではなかった。
天井の窓から射す光はこの世のものではなかったのだ。
そこには、水面があった。
そこでは、羽の生えた天使がこちらを見ていた。
私は現実味のないそれをぼんやりと夢見心地のまま眺めていた。
でも、
「貴様、そこで何をしている。」
後ろから“鎧の人”が私に声をかけてきた。
「え、ええと…」
「貴様、ここのものではないな?」
「え、ええと…」
「名を名乗れ。」
「トトス…」
トトス。トトス。嘲笑うかのように水面の上の天使が翼をはためかせる。
気がつくと私は恐怖にかられていた。
“鎧の人”は私の麻のスカートにtotosと墨を入れた。
「これは証だ。ここの者でないという、お前の、証だ。」
「あ、ああ…」
天使様はこちらの都合なんかしらないようにこちらをニコニコとした笑みで見つめている。
ガラス越しの、水面越しの、天使様。
私がこれからどうなるか、天使様は知っているの?
知った上で私がどうなるかわかった上で、笑っているの?
ああ、天使、様。
私は“鎧の人”に地下室へと連れて行かれた。
天使様は笑う。
「トトスは本来こっちの子なのにね。」
天使様
2023/02/08 up